講演レポート

Bayer International Bayer Cattle Symposium 2018 Roundtable discussion「動物福祉の向上」…Ruaradh Petre, Executive Director, Grobal Roundtable for Sustainable Beef/Mark Bryan, Managing Director, VetSouth Ltd, New Zealand/Rinse Boersma, Head of Dairy Markething, Bayer Animal Health

――animal well-beingを推進することは、大変重要で価値がある。しかし必ずしも簡単ではない。animal well-beingを推進するにあたり、最も大きな課題は何だと思われるか。

Ruaraidh Petre:農場での慣習もしくは文化、つまり「今までずっとこうしてきたから」という考えが大きな障害になっていると思う。欧米ではこの30年ほどで、animal well-beingに対する考え方が大きく変わってきたが、たとえば南米や南アフリカで「欧州や北米では、こういうやり方をしている」と伝えても、「うちではそんなやり方をしない」と言われることがある。やはり生産者からは「そうやることで、どういうメリットがあるのか」と訊かれるものの、投資に対して即座に現金的なリターンがあるわけではない。しかし長期的なリターンがある。animal well-beingを保てば、今は見えなくとも将来、より高い生産性と食品安全性の実現といったベネフィットが得られるということを伝えなければならない。

Mark Bryan: 生産者から消費者までを通じたバリューチェーン全体において、animal well-beingの価値が十分に認識されていないことが非常に大きな問題になっている。我々も4~5年間、動物福祉のプログラムを乳牛の生産地で行っているが、Petreさんが言うように、即時のリターンがないため、正しいことなのだと頭ではわかっていても、本当に必要なのかと思われてしまうことがあった。

――農場でanimal well-beingを推進するために最も効果的な方法は何だと思うか。

Mark Bryan:生産者から消費者まで、すべてのステークホルダーに対して利点を明確に示すことだろう。私たち獣医師が、animal well-beingが内在的にどういう価値があるかを丁寧に説明しなければいけない。そのためにも関係づくりが大事。「今までこうやってきた」と生産者が言ったとしても、なぜそれが10年前は良くても今は駄目なのを説明していく必要がある。

Ruaraidh Petre:消費者との対話もカギとなる。生産者側がプライドをもって動物のケアをしていたとしても、消費者は生産地でうまく取り組まれていないと思っているかもしれない。この間を取りもつのは、小売業者の役割でもある。信頼はオープンな対話によって生まれる。生産者が問題を解決していたとしても、彼らの手を離れたところで問題が起きてしまうこともある。そうしたこともオープンに話すべきである。

Roundtable discussionイメージ

――消費者はanimal well-beingをどう捉えるべきか。

Ruaraidh Petre:animal well-beingが我々にとって最優先事項であることを理解してほしい。30年前とは違ってきており、今後も変化していくことを周知するべきである。多くの消費者は、農場で何が起こっているかは知らないため、ソーシャルメディアやテレビ報道に影響されやすい。生産現場について正しく伝える努力が必要である。生産者は自分たちの活動に心を砕き、きちんと動物のケアをしていることに誇りをもっている。とくに繁殖農家については、animal well-beingを本当に深く考えている。そこは非常にポジティブなメッセージとして伝えるべきだと思う。

Mark Bryan:動物福祉の後ろには人のwell-beingの問題があること、また、animal well-beingに対しより良くしようという努力がなされていることを、消費者にも知ってほしい。animal well-beingを進めるためには、生産者が主体となったプログラムや動きが重要。我々の組織には23カ国のメンバーがいるが、生産者自身が率先している活動こそが最も成功している。生産者の団体が、製薬会社、獣医師、小売業者、そして消費者、環境団体をも巻き込み、包括的な持続性とwell-beingを結びつけて活動している。我々獣医師も、社会科学など多分野の科学者とも協働しながらwell-beingについて考え、全体的なアプローチによって新しいアイデアを取り込むことが必要だろう。

――ありがとう。animal well-beingを推し進めるためには、関係者間のコラボレーションが重要となり、バイエルは牛に関わる獣医師や生産者が進めるanimal well-beingに深くコミットしている(バイエルCare4Cattle イニシアチブ)。研究、学術、技術面でのサポートを続けることにより貢献できることを追求していきたいと考えている。

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